キャビネットの要件

一般的に、キャビネット内にシステムを設置するための計画では、以下の要素を考慮してください。

  • 動作環境の周囲温度の上昇 — 密閉した環境や複数のユニットが設置されたラック内では、ラックの動作周囲温度が室温よりも高くなる場合があります。そのため、メーカーが指定した最大周囲温度 (Tma) に適合する環境に機器を設置することを検討してください。

  • 空気流量の減少 — 機器にラックを設置する際は、機器の安全な動作に必要な空気流量が損なわれないようにしてください。

  • 機械的負荷 — 機器をラック内に取り付ける際は、不均等な機械的負荷によって危険な状態が発生しないようにしてください。

  • 回路の過負荷 — 機器を電源回路に接続する際は、回路の過負荷が過電流保護や電源配線に及ぼす影響について考慮してください。この問題に対処する際には、機器の銘板に記載された定格を適切に考慮する必要があります。

  • 信頼性の高い接地 — ラックに取り付けられた機器は常に信頼できる状態でアースを取る必要があります。特に、分岐回路への直接接続以外の電源接続 (例: テーブルタップの使用) には注意が必要です。

キャビネットが以下の要件を満たしていることを確認してください。

  • キャビネットは、設置予定のすべてのコンポーネントの重量を支えられる必要があります。ztC Endurance システムのコンポーネントの重量は、システム仕様 に記載されています。周辺コンポーネントの重量を確認するには、そのコンポーネントに付属のドキュメントを参照してください。

  • キャビネットには、前面と背面にそれぞれ 2 本、計 4 本の EIA 規格の垂直レールがあり、キャビネットの各コーナーに配置されている必要があります。これらのレールは、EIA 310-D セクション 1 の仕様で定義された汎用穴パターンを備えている必要があります。

  • 前面の垂直レールは、アクセサリ レッグがある場合はその内側の端から少なくとも 1.27 センチメートル (cm) (0.5 インチ) 以上突き出しており、取り付けレールを固定できるようになっている必要があります。

  • 前面垂直レールと前面ドアの内側との距離は 7.62 cm (3.0 インチ) 以上必要です。

  • システム シャーシ後部と背面ドアの内側との距離は 15.24 cm (6.0 インチ) 以上必要です。

  • 前後の垂直レールの間の距離は、60.96 cm から 80 cm (24 インチから 31.5 インチ) の範囲内である必要があります。

  • 垂直マウント レールは、7.0 mm (0.275 インチ) の丸型または 9.53 mm (0.375 インチ) の角型パターンで、厚さは 1.6 mm から 2.7 mm (0.063 インチから 0.105 インチ) です。

  • 垂直マウント レールはメッキ加工されているか、または他の方法で、設置された機器間の接地の連続性が確保されている必要があります。

  • ケーブル管理ブラケットを装備し、データおよび電源コードを支えて固定することで、ケーブルがモジュール背面から排出される空気の流れを妨げないようにし、コネクタが外れたり破損したりしないようにする必要があります。

  • 漏れ電圧を防ぐため、すべてのコンポーネントは垂直マウント レールを通してキャビネット フレームに接地され、さらに設置場所のビルディング グラウンドに接地される必要があります。信号品質を確保するため、設置場所のビルディング グラウンドへの接地にはアース線を使用してください。

  • ケーブルや配線をキャビネットに接続する際の計画を立て、床下に配線するか、上部のケーブル トレイに配線してください。

  • エア フローはキャビネット内を前方から後方に流れる必要があります。

  • キャビネット内で空気が再循環してはなりません。

  • 未使用のラック スペースには、フィラー パネルを取り付けて空気の再循環を防ぐ必要があります。

  • キャビネット背面の垂直マウント レールとサイド パネルの間にはブロッカーを取り付けてください。

  • 前面と背面のドアには通気孔が均等に配置され、表面積全体の少なくとも 69% を占めている必要があります。

注意: 運転中の過熱を防ぐため、キャビネットの前面と背面のドアには通気性が確保されている必要があります。
Précaution: L’armoire doit avoir des portes avant et arrière ventilées pour empêcher le système de surchauffer pendant le fonctionnement.
  • 最終的な設置は、すべての放射、耐性、安全性、およびその他の適用規制に準拠している必要があります。

通知: ztC Endurance システムでは、システム前面に USB ケーブルや USB フラッシュ ドライブを、また背面には各種データ ケーブルや電源ケーブルを取り付けることができます。前面レールとドアの間に 76 mm のクリアランス、システム シャーシ後部と背面ドアの内側の間に 152 mm のクリアランスを確保することを推奨します。これにより、前述のアクセサリやデバイスとの間にクリアランスの問題が発生しないことが保証されます。推奨はできませんが、キャビネットのレールを前方にずらすことで、1000 mm のラックを使用することも可能です。この場合、システム前面のアクセサリの使用は制限されますが、背面の配線スペースを広く取ることができます。

システム設置に推奨されるキャビネットの例は以下のとおりです。

  • 垂直型 PDU を設置する場合: 高さ xU x 幅 800 mm (31.5 インチ) x 奥行 1200 mm (47.2 インチ)。例: APC™ NetShelter™ SV AR2580-42U

  • PDU を設置しない場合: 高さ xU x 幅 600 mm (23.6 インチ) x 奥行 1070 mm (42.1 インチ)。例: APC NetShelter SX AR3104-24U